多くの塾や予備校では、授業を休んでも別の日に授業を受けられる振替制度を設けているようです。
それだけ需要があるということなのでしょう。
朝枝塾には振替制度はありません。
なぜないのかというと、講師が一人なので物理的に難しいということもありますが、何よりも生徒にとってプラスにならないと考えているからです。
まず、振替制度があると、本人も保護者も欠席に対する危機感がかなり薄れます。
その結果、よほど自制心のある生徒を除いて欠席率が上がります。
実際に、振替制度のある予備校の方がそうでない予備校よりも圧倒的に欠席率は高いと感じます。
定期試験前や学校行事の準備などで気軽に休み、挙句の果てには疲れているからという理由で休むようになります。これでは本末転倒です。
更に、欠席分の授業を別の日に受ければそれを補うことができるほど単純なものではないのです。
勉強は作業ではありません。大切なことは定期的なサイクルで学習内容を定着させていくことなのです。
逃した内容を後日行うということは、毎日行っていたトレーニングを1週間休んだ後、休んだ分の量を後日まとめて行うようなものです。
場合によっては逆効果にさえなってしまいます。
「振替しないよりはマシ」だと思うかもしれませんが、「振替をしないほうがマシ」ということもあるのです。
授業料分の授業回数をこなさなければという思いも理解できますが、その辺りをよく考えることが大切です。
朝枝塾の生徒は、こういったことを理解しているのでほとんど欠席をしません。
そして理由は何であれ、欠席してしまった時には心の底から危機感を持つからこそ、自ら考えて欠席分を補う動きをするのです。そうした方が、単に振替授業を受けるよりもはるかに効果があります。
欠席との向き合い方でその生徒の勉強に対する姿勢がわかるものです。
無論、本当に必要だと判断すれば欠席分を補えるようにこちらから手を差し伸べることもあります。
「利便性が最優先の人」は、「成功することが最優先の人」に勝てません。
一見便利そうなことが、役に立つとは限らないものなのです。
